成果主義の弊害
成果主義の定義についての議論は避け、世間一般のイメージでお話しします。
ご自分の職場が成果主義だと思われる方は、その弊害を考えてみて下さい。
目標の引き下げ競争や、他部門・同僚と連携をしなくなるなど
色々挙げられると思うのですが、
実はもっと大きな害が潜んでいるのではないでしょうか?
最近よく感じるのですが、数年でも成果主義制度が取り入れられていた会社では、
その間、次世代の管理職が全く育っていないことが多いのです。
成果主義は、個人業績がメインとなる制度のため、
個々の社員は当然のように自分の業績で頭が一杯になりがちです。
(経営幹部になった後は成果重視になるので、あくまでも経営幹部以外のお話です)
つまり、仕事をしていく中で他人の育成を考えることなく、
またマネジメントなどすることもなく年齢を重ねているということなのです。
そんな社員を管理職にし、
いきなり部下の育成やマネジメントをさせようと思ってもまず無理でしょうし、
酷とも言えます。
実際に、
10年ほど個人成果主義を採用していた会社で人事制度改革を実施したところ、
経営幹部に登用できるような人財がほとんど育っていない事が判明し、
慌ててマネジメント研修や評価者研修など、各種教育研修を行ないました。
人事制度改革には、必ずメリットとデメリットがありますが、
短期的視点での議論だけではなく、長期的視点のメリット・デメリットを熟考し、
特に、人財が育つかどうかという点を入念に議論しておくことが、
会社の発展、ひいては社会貢献できる人間を生み出すことに繋がるのです。